髪を気にしながら仕事に向かう彼を見送りながら、空を綺麗だとかそんなことを考えて、仕事なんてできないのかもなあと思った。鼻毛が1本や2本出ていたって、私が好きなことに変わりはないけれど、夕飯にスマホを気にしなければならないほど、忙しい彼のことは少し嫌いだ。
愛されない人生には戻りたくない。
あのまま知らない誰かに生涯を終わらせられたとしても、私だと誰が気づいただろう。いくつもの分岐点をたまたま乗り越えた先で、報われるなんて思ってはいない。
過去の自分を愛したい。
愛を家庭で形作った先輩に共感は出来ないし、休みの日にBBQで集まれない。当たり前の仕事と家庭を手に入れるはずの人生は、どこかで私から離れてしまった。大きく息を吸ったって深呼吸ができないなんて、誰も教えてくれない。
浅い傷をいつまでもイタイイタイと大切にして、誰からも傷つけられない明日を目指す。だから、傷を癒す手段を教えて。深い傷にも壊れない明日を教えて。
消えない。
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